1: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:39:36 ID:hKCz
あくまでワイの主観による勝手な感想にすぎないので
間違ったこと言うかもしれんし見当違いな解釈が含まれるかもしれん
ワイが面白いつまらないと思ったものをニキらが絶対その通り感じるはずもないしな
まあお遊び程度に見てクレメンス

引用元: ・ワイが小説を紹介するスレ

2: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:39:48 ID:hKCz
評価
☆1
内容以前に日本語がおかしくて読むのがつらいレベル
ある程度の品質が担保されてる一般小説界には存在しない……はず

☆2
君はラノベやろ感が鼻につくやつ、面白いつまらないではなくジャンルが違うなと感じたらココ

☆3
一般的な一般小説、普通に面白い

☆4
名作、身につまされる、我を忘れて読める作品

☆5
人生変わる

3: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:40:07 ID:hKCz
秋の牢獄
2007年、角川ホラー文庫より発売
著者 恒川光太郎
評価 ☆3

ある日、何の前兆もなくヒロインは同じ一日のループに巻き込まれる
何度目かのループで自分の他に巻き込まれた人々に出会い、話を聞くも原因は分からず
何かの自然現象だろう、過ぎ去るのを待ち、それまでは前向きに楽しもうということになるが……
表題の他に、神家没落、幻は夜に成長する、の2編を加えた、全3編の短編集

夜市で有名な恒川のループものや、色んなサブカルで何度となく繰り返されてきたやつやな
解説でも言及されとるが、ケン・グリムウッドのリプレイ、北村薫のターン
オタク界隈ではシュタインズゲート辺りが有名やろうか、最近では超昂大戦の水着イベとかな
どうでもいいことやけど、2020年に竜騎士が出したLoopersは本作のパクリでは?

大抵のループものはそこからの脱出を目的にすると思うんやけど、本作ではそんなことはない
どんだけ金使おうが最悪死のうが一日の終わりと共に元に戻るんやから出来ること全部やろうずwwwwwてかんじや
しかしだんだん心はすり減っていき……
ループ者をいずこかへ消す謎の異形、北風伯爵なんてのも出てくるが、まあここまで言えば慣れてる人は展開読めるやろ

神家没落は全国いたるところにワープする謎の家に閉じ込められるやつや
人が必ず一人は敷地内にいなければいけない、出るためには別の人間と入れ替わる必要があるんや
この設定で2002年に発売されたえちえちゲーム、ランス5Dを思いうかべた人はワイと握手!

幻は夜に成長するは人に幻覚を見せることのできる特殊能力者の話や
昔少年ジャンプに連載されてた漫画、神撫手をご存じやろうか、アレや
カオスヘッドのギガロマニアックスや、ビシィッ!

そんな短編集でそこそこおもろい
でも短編って一つ一つの内容量少ないからイマイチ満足度低くない?
あと短編はハッピーエンドがやたら少ないのはなんでなんやろうか?

メディア展開
なし

4: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:41:26 ID:rSTc
ハッピーエンドの奴おせーて

6: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:42:13 ID:hKCz
>>4
色々あるからどれとは言えない

5: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:41:36 ID:hKCz
あの家に暮らす四人の女
2015年、中央公論新社より発売
著者 三浦しをん
評価 ☆4

母と娘が暮らす洋館に二人の女が同居することになった
娘の友人でマンションが水害に遭った女と、その部下でストーカーの被害から逃げてきた女
四人の女の日常を描く物語

2016年にアニメ化された船を編むって作品知っとる? その著者や
まず内容以前に日本語が巧い!
諧謔と皮肉をスパイスに豊富な語彙を用いて書かれる様々な表現が読んでいて実に気持ちいい
カラスさんの視点で進む部分の文章が特にいい!
小説で笑ったり泣いたりすることほぼないんやけど、そこは読んでてフフッてなった
ほんま内容云々じゃなく日本語それ自体を楽しく読ませてくれる物書きは貴重やで、ワイはこの作者で5人目やろうか

分かる人には分かる言い方をするなら家族計画から盛り上がりを抜いたような作品
内容の方は特段大きな起伏なく進む
事件が起きそうで起きず、恋が始まりそうで始まらない
しかしそんな流れを最後で断ち切ってメッセージ性を残すあたり流石の筆力

劇的な物語ではないけどワイお勧めの一作なので見かけたら是非手にとってみてクレメンス!
それにしてもアラフォーのババアがキャピキャピするのは痛々しいことこの上ないなw

メディア展開
2019年 ドラマ化
CMしか見とらんけどこれ原作者怒らんのやろうか
いかにも色々事件起きます!て感じに宣伝しとるけど、そうやないやろ
事件が起こりそうで起こらない日常がこの作品の魅力やろうに
脚本か監督か知らんが無能やな、辞めたら?この仕事
https://www.youtube.com/watch?v=oonV6NznJXE


https://www.youtube.com/watch?v=0aS3xr6cdnE


7: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:43:05 ID:xY1M
ドラマクソで草あ!

8: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:43:20 ID:hKCz
>>7
やっぱりか

9: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:44:12 ID:hKCz
甘い鞭
2009年、角川ホラー文庫より発売
著者 大石圭
評価 ☆3

高校1年のときに1ヶ月の間拉致監禁、凌辱されたヒロインは、成長して不妊治療専門の医師として活躍している
しかしその裏で、SMクラブのM嬢としても活動していた
過去と現在、サドとマゾが交錯する物語

不妊治療に少しだけ理解を深められるお話や
1回150万もする手術を複数回って頭おかしなるで
気力と精神力と資産をゴリゴリ削られながら治療する悲哀と、めでたく妊娠したときの歓喜が描かれとる
頼むからこのまま何も起こらず順調に産まれてくれっていうヒロインの想いに感情移入して読める
それにしても、年齢が45歳辺りなのは置いといて、検査上は男女どちらにも問題ないのに孕まないのは不思議なもんやなあ

現在が展開する間に監禁されてたときの回想も挟まれるんや
普通セックスてのはコミュニケーションの最上位に位置するもんやと思うけど
それに嫌悪感を抱かせ無味乾燥なふれあいとして描きながら
それ以外の日常会話で犯人と被害者が交流を深めてるのがええ対比になってたと思う
まるで人と人の関係で大事なのは何かってのを説かれてるようや

最終局面でのうつ伏せと仰向けで過去と現在を交差させてるのも上手いと思った
それにしても毎回読み終わって思うけど、一般小説ってハッピーエンドを書いちゃいかんっていう決まりでもあるのか?

メディア展開
2013年 映画化、漫画化
https://www.youtube.com/watch?v=-hET-76yTPU

10: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:45:59 ID:hKCz
暗黒女子
2013年、双葉文庫より発売
著者 秋吉理香子
評価 ☆2

ある女子校で行われる文学サークルの闇鍋会
例年通りならジャンル自由の自作小説を披露する場だが、その年は違っていた
サークル会長の不振な死に関連する話を、各人の視点から自作小説朗読という形で行う
果たしてその死の真相とは……

A「こういうことがあったんや、やから犯人はCや」
B「Aの話と矛盾するけどこういうことがあったんや、やから犯人はAや」
C「いやいやワイはこういう体験をした、やから犯人はBや」
とまあそれぞれ全然違うこと語る中で誰が犯人かを考える話や

高校生の自作小説って形をとってるからかただの筆力不足か知らんけどかなり軽い筆致で
一般小説っていうよりライトノベルに近い
さらに物語もちょっと安っぽい
その滑稽さが作品の味として昇華されてると言えば聞こえはええけども、まあ安いだけだと思う
ツッコミどころ多いし

中学生あたりなら読んで面白いかもしれんけど、数々の名作を読んでると物足りない
うーんやっぱりライトノベルちゃうかなぁこれ
もちろんラノベを下に見て貶したいわけじゃなくてね、ジャンルとか対象年齢の話や

メディア展開
2017年 映画化、漫画化
https://www.youtube.com/watch?v=BiIYIb3PKd4

11: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:47:26 ID:hKCz
108
2018年、講談社より発売
著者 松尾スズキ
評価 ☆2

妻に浮気された主人公はブチ切れる
主人公「離婚したら財産2千万の半分渡さないかんのやろ? ふざけんなや全部使ったるわ!」
主人公「浮気の復讐や! 1ヶ月で108人の女買って抱くわ!」
友人「煩悩の数っすか! なかなか深いっすね!」
主人公「いや、妻のフェイスブックにいいねつけた奴の数」
友人「あっ、そっちすか……」

読みはひゃくはち、ではなくイチマルハチ
なんでワイがこの本を手に取ったかって? カバー絵がえちえちだったからだよ!
色んな体位の女さんの抽象的な絵がいっぱい描いてあんの!
こんなことされたらつい気になって読んじゃうのが悲しい男の性やねw

小説っていうより映画やドラマの脚本に近い希ガス、なので☆は2つや
愚かな人間たちが喜劇の如く踊るギャグモノやね、深く考えなければけっこうおもろい、フフッてなった!

とにかくセックスする話や
伝説の手コキ嬢に会ったり中華丼食いかけのソープ嬢とヤったり
かと思えば友人に手を出したら膣痙攣で抜けなくなってそのまま父親の死に目に会ったりな
コメディタッチで性行為を描写していく
コメディなので意図的に抜いたんやろうけど、もっと深い心情描写とはっきりした結末があればもう少し評価も上がったか

なんでもいいけどシナリオライターって儲かるんやね
必死に働いたとはいえ7年で2千万貯金するの凄くね?
1年で約300万、ひと月25万貯金するペースやぞ

メディア展開
2019年 映画化(R18) ちなみに主題歌は星野源
https://www.youtube.com/watch?v=twf3Mpek3oI

12: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:48:52 ID:YWDL
うむ

13: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:48:59 ID:hKCz
おう

14: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:49:10 ID:hKCz
海を抱いたビー玉
2007年、山海堂より発売
著者 森沢明夫
評価 ☆3

大事にされたモノには魂が宿る
長年愛され意識を持ったバスと、勇気を与える不思議なビー玉に関わった人々の物語

この物語は半分がノンフィクションや
主役のバスや登場人物は実在しとる
もし興味があれば新潟県越後湯沢にある旅館いなもとを調べてみよう
バスが展示されてていつでも乗れるし運が良ければビー玉を拾える
見つけたら幸せになれるらしいで
まあ2009年の情報なので今もあるかは知らんが

というわけで魂が宿ったバスくんを中心に据えて人間模様を描いたお話や
まるで子供向けの童話みたいな設定で、読んでると懐かしい気持ちになれる
大量生産大量消費社会では壊れたら直すより新しいの買った方が効率的だし安い
まあ分かるんやけど、やっぱりなんか寂しいよね
悪者はほぼ登場せん、失ってしまった何かに気付けるような優しい物語やで

話は変わるけど、文庫版の解説書いたお前、マジで反省しろよな反省
せっかく余韻の残るええ読後感だったのに、いきなり僕は漢字セラピストで~すとか宣伝始めやがってからに

恋という字は下に心があるから下心! 愛は真ん中に心があるから真心なんです!ドヤァ
とか
叶うという字は口に十、つまり夢は十回口に出すと叶うんです!
+の言葉が大事で-の言葉を口にすると吐くという字になるからダメ!ドヤァ
みたいなさ、お前それドヤってるけどただのオヤジギャグだからな?
モノに魂を宿すほどの人情話の後にそんな軽い言葉聞いても響かん、お前の言葉に魂は宿らない
解説書くならもっと空気読めマジで

メディア展開
なし

17: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:50:40 ID:xAeA
>>14
解説だけ読みたくなってもうたやん

20: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:51:04 ID:hKCz
>>17
あったい話や
ええで

15: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:49:50 ID:YWDL
で、星5は

16: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:50:14 ID:hKCz
>>15
ない
人生変えるほどの名作には簡単に出会えない

18: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:51:01 ID:YWDL
>>16
?

19: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:51:04 ID:zXDg
>>16
古典なら山ほどあるが、読んだことある?

21: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:51:34 ID:hKCz
>>19
実は読書始めたのが去年の9月なんや
まだあんまり読めてない

24: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:52:59 ID:zXDg
>>21
早いうちに手を出した方がいいぞ
タイトルだけ知ってるけど読んだことない本から読むと良い

28: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:53:45 ID:hKCz
>>24
ワイあまのじゃくやから有名なのは避ける傾向にあるんや
村上春樹とか読んだことない

31: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:55:30 ID:zXDg
>>28
ワイもあまのじゃくだから今売れてる本は徹底的に避けて読んでるで

34: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:56:26 ID:Cv15
>>28
2冊読んだが、ワイはなーーーーーーんにも得られなかった
なんか、生涯読書時間のカウントが増えるのと、村上春樹を読んだことがあるトロフィー以外の何も変わらなかった

35: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:57:00 ID:hKCz
>>34
実績解除で草
有名なのにそんなもんなんか

41: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:59:29 ID:Cv15
>>35
書いてる村上春樹はなんか世界では評価されてるが、その評価は分かる。作品としての完成度は高い。けど自然界で安定してる元素みたいな感じで、ワイには何も変化をもたらさんかった。
好みの問題かと。

44: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:00:31 ID:hKCz
>>41
なるへそ
まあ気分が向いたら読んでみるンゴ

39: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:58:41 ID:nckY
>>34
これめっちゃ共感。
こんなん好きやろって雰囲気押し付けられてるようで、ワイには合わんかった。

26: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:53:04 ID:Cv15
>>21
すげえ
年代も色々読んでるし、書評がかけるのもすごい

22: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:51:42 ID:hKCz
エデン
2006年、文藝春秋より発売
著者 五條瑛
評価 ☆3

移民を受け入れ不法滞在外国人が激増し、死刑制度が廃止された日本
自警団まがいのことをしていたストリートギャングの主人公が逮捕された
収監された刑務所は何故か政治・思想犯のみを集めた極秘矯正施設
通常では考えられないほど自由なそこで奇妙な生活を強いられるが
ある日殺人事件が起こり、話は20年前に起きた暴動テロ事件と複雑に絡まっていく

自分の掲げる正義のためなら何やってもいいと思ってる奴らと暮らす囚人生活や
新しい登場人物が出てくるたびに、お前なにやったんだ? て主人公が訊くんや
A「自然保護のため建設会社のビルを爆破した」
B「反戦を訴えるためアメリカ大使館に自爆テロした」
C「カルト宗教に所属して山奥で集団生活してたら警察が踏み込んできたから銃火器乱射して抵抗した」
主人公「ア ホ く さ !」

思想に傾倒することで何と戦うかが明確になり生きる意味を実感できるらしい
ギャングな主人公に言わせれば何かに縋っていないと生きられない甘ったれ
大学出てるから俺より頭いいはずなのにバカだなお前ら
いつも賢しらに議論ばかりしてるけどちょっとしたことで顔真っ赤にして暴力に訴える
しかも金や女のためじゃなく形無い正義のために殉死するとか皆目分からん、とのこと

まあ親が活動家で子供の頃からそう教育されたからそれ以外の生き方を知らなかったって奴もいるけどな
親ガチャハズレ民や
でも登場人物たちはそっち関係以外では普通の人で一緒に遊んだりすんねん
思想って怖いね!

ストーリーはテンポ良く事件が起こって解決してを繰り返して飽きさせない
少しずつ謎の施設の全貌が分かってきて一気に読めるくらい読みやすいし面白いで
囚人による自治がなされてる施設で各グループの関係や人間模様などが展開される

難点はたった一つ、終わり方や、ここが良ければ☆4だった
なんで一般小説って投げっぱなしエンドみたいなこと好きなんやろうな?
読後の余韻を残すため? いやいや大抵下手くそやねんモヤモヤするだけや
物語はちゃんと終わらせろよ、続編作れるよう最後に一瞬だけ化物復活シーン入れる洋画ホラーじゃねえんだからよ
そういう終わり方で凄いと思ったのはえちえちゲームのBradyon Vedaくらいや

メディア展開
なし

23: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:52:46 ID:R3pe
恒川光太郎のループ物のこれ、何かで紹介されてて気になっていたんだ

25: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:53:02 ID:hKCz
>>23
おもろいで

27: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:53:42 ID:a9vU
『百年の孤独』とかいう「そうはならんやろ」「なっとるやろがい!」を延々と繰り返す話

30: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:54:48 ID:Cv15
>>27

33: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:55:53 ID:zXDg
>>27
クッソわかる
神話的な世界観だよな

29: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:54:03 ID:hKCz
江戸川乱歩文庫 D坂の殺人事件【リニューアル版 】
2015年、春陽堂より発売
著者 江戸川乱歩
評価 ☆3

江戸川乱歩が著した数作をまとめた短編集
旧仮名遣いは現代仮名遣いに直し読みやすくしました

日本人なら誰でも名前くらいは聞いたことあるやろう江戸川乱歩や
身体は子供、頭脳は大人なガキの名前の元ネタの一つや
明智小五郎や少年探偵団、怪人二十面相なんかで有名やな

本作は表題の他に6編、合計7編の短編集みたいなもんや
今でも通じるくらい面白いのもあるのは凄いと思う
ただやっぱり昭和どころか大正初期の作品なのでさすがに今読むとしょーもないのも割とある

殺人事件!? 一体どうして殺されたんや! その動機は!?
SMプレイでハッスルして首絞めプレイしたらやりすぎちゃいましたwww
……は?

2人の目撃者が反対の証言をしたトリックは!?
ただの勘違いでしたwww
……は?

ワイの妻が殺されたわ! 犯人は分からんが容疑者にカマかけしたろ! 実は妻はお前のことをこそ好きだったんや!
(これで犯人は自分を好いていた女を殺したことになる! さぞ絶望するやろなwww)
あっ、こいつ机につっぷしおった! こいつが犯人や! ねえ今どんな気持ちw?
……後日、「いやー疲れてて話の途中で爆睡してまったわwすまんなwww」
……は?

まあそういう時代やったんやろうね
海の向こうでは毒ヘビとか猿が犯人でした! ていうのやってたわけやし
というわけで完全に古典の部類やけど、そこを理解して読めばけっこう面白いので教養としていかが?

メディア展開
1992年 D坂の殺人事件ドラマ化
1998年 D坂の殺人事件映画化(『心理試験』、『屋根裏の散歩者』と合わせたもの)
2011年 D坂の殺人事件漫画化(江戸川乱歩異人館第1巻に収録)
2012年 算盤が恋を語る話漫画化(江戸川乱歩異人館第5巻に収録)
2015年 赤い部屋漫画化(江戸川乱歩異人館第12巻に収録)
2015年 D坂の殺人事件映画化
2016年 D坂の殺人事件ドラマ化
https://www.youtube.com/watch?v=vRwZC24Nr74

32: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:55:43 ID:hKCz
飲食男女 - おいしい女たち -
2003年、文藝春秋より発売
著者 久世光彦
評価 ☆2

ある男の体験した様々な女との逢瀬を、その時々の食べ物の印象と共に綴った話

う~~~んこれはなんなんやろ? 自伝小説? 普通の小説とは違うやね
もしかしてジャンル違いやったやろうか
ちなみに読みはいんしょくだんじょ、ではなくおんじきなんにょや

てっきりホラーかと思って読み始めたら全然違ったわ
ワイあらすじとか読まずにタイトルだけ見て読むの決めるからね

内容はと言えば人生のなかで出会った色んな女とセックスした話や
読んでいてまるで腐りかけの果物のような甘い匂いのする文体で
それぞれのお話で謎の余韻がある
……とか気取ったこと言ってみたけどこれじゃ伝わらんやろ

ぶっちゃけ面白いかと訊かれると大して面白くないと答えざるをえない
ストーリー性も特にないしほーんえちち! 以外の感想が浮かんでこないんだなコレがw
ただセックスする話をここまでシャレオツに描く文章力は凄いと思うけど、楽しさには直結しなかった
作中にも言ってたけど、女とのあれそれを視覚や触覚に訴えるんではなく、味覚を使って表現したのが新鮮やったかな

メディア展開
なし

36: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:57:05 ID:hKCz
神坐す山の物語
2014年、双葉社より発売
著者 浅田次郎
評価 ☆3

奥多摩の御嶽山にある神官屋敷で物語られる、怪談めいた夜語り
代々験力を用い狐憑きを祓ったという神官が出会った不思議な話

主に幽霊に関するちょっと切ないお話を集めたやつや
ちなみに作中に登場するような神社や宿場が御獄山に実際にあるらしいので
本作を読んだ後聖地巡礼すると雰囲気に浸れるかもしれない

浅田次郎は相変わらず圧倒的な語彙と筆力で描写していく
というかここまでくると日本語難しくて理解がおっつかないレベル
読めない漢字や分からない言葉を調べながらじゃないとちとキツイ
まあそれが楽しいんやけどね

印象に残ってるのは見知らぬ少年の話
肝試しで独り墓場に行くことになったが、怖くなって戻ろうとしたところ少年が現れ一緒に来てくれて、ていうやつ
オチが珍しいわけではないけど、死んだ人が見守っててくれるかもってのはええよね

あと聖で修験に励む山伏が泣くところとか、天井裏の春子の老狐とか切ない
宵宮の客の文章もちょっとうるっときたわね
好きあってた女を殺したっていう男が訪ねてくるんや、そいつと女の霊が一緒におるんや

似た者どうしが一緒になれば幸せになれるって、あんたは言ってくれたけど、あたしはそうは思っていなかった。
不幸が倍になると思った。
おなかの中のこの子が産まれれば、きっと不幸は三倍だ。
だから、あんたひとりで幸せになって下さい。三つの不幸より一つの幸せのほうが、ずっといいに決まってる。
お願いよ。あたしは人を恨んで生きたくはないの。
ああ、ありがとう。やっぱりあんたは、やさしい人だ。

メディア展開
なし

37: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:57:37 ID:zXDg
(村上春樹にめちゃくちゃ影響受けたけど恥ずかしいから言いたくない)

38: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:58:24 ID:hKCz
>>37
表に出さなきゃセーフや

55: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:06:50 ID:Cv15
>>37
個人個人の生き方の違いや
共感できたら影響される部分もあると思う

40: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:59:23 ID:hKCz
仮面山荘殺人事件
1995年、講談社文庫より発売
著者 東野圭吾
評価 ☆3

婚約者を事故で亡くした主人公は、その家族と共に避暑地の別荘に来ていた
故人を偲びながら心の整理をつける遺族、だが真夜中に突然銀行強盗犯が逃げ込んでくる
人質に取られた主人公らは極限状態となり、話題は婚約者の事故における不審な点へと向かっていき……
二つの事件が絡み合うミステリーサスペンス

ちょっと自慢してええか?
実はワイ2割か3割読んだ段階で事故の真相予測できてまったんや
んで殺人事件が起こった段階でこの物語に施された仕掛けも予測出来てまった
そうじゃないといいなぁと思いながら読み進めると見事的中
読み終わってみれば9割くらいワイの掌の上やったわけや

なのでワイが褒めたいのは予測できなかった残り1割
ネタバレになってまうから深くは言わんがラストで明かされるあのキャラの心情やねん
その心は実に美しい! まことワイ好みや

最初の方読んだときに、そんなうまくいくかよwww
はいはいミステリによくあるご都合ねwww色々ガバいなwwwとツッコンだんやけど
そこに理由があることに思考を向けるべきやった
その一点でワイの感情を揺さぶったので☆3つや

メディア展開
2019年 舞台化
ちなみに平野綾が出演してる

42: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 17:59:59 ID:LvNJ
翻訳小説は読まないんか?

45: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:00:53 ID:hKCz
>>42
読まない
まずは日本の小説
飽きたら海外に手を伸ばすつもり

43: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:00:02 ID:R3pe
村上春樹の音楽評論は好きなんだよな

46: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:01:19 ID:hKCz
機巧のイヴ
2014年、新潮社より発売
著者 乾緑郎
評価 ☆4

まだ人が刀を提げていた頃の日本、そこに住む卓抜した機巧の組み手
バネと発条と歯車で人間さえも再現し、まるで生きているような機巧を作り上げる男がいた
これはその男と機巧に関わった人々のいくつかの物語

主にギリシャ神話をモチーフとして不思議な機巧に関係した者の人間模様を描いた作品や
始まりの機巧であるイヴや力自慢の力士の話であるヘラクレス、パロドクスで有名なテセウスなど
ちなテセウスの船ってのは
ある船の部品を少しずつ新しくしていって全てが入れ替わったとき、それは元の船と同じといえるのか?
また、取り替えた古い部品で船を組んだときどっちが本物の元の船と言えるのかってやつや

いや~これは間違いなく名作
イヴ可愛いよイヴ
ある一抱えもある箱を大事にしとるんやけど、それに座る奴を怒るんや
「これは腰かけではありません!」てな
そんでその箱は壊れとるんやけど、機巧師にいくら言っても直してくれない
最終章で分かる機巧師のその心よ

人の形をしたものには怪(け)が宿るというが、機巧に魂が宿ることなどありえない
これはその機巧師の言葉やが、つまりはその真意や、それがええんや

アンドロイドとの交流的なSFを純和風で描いた珍しい作品やな
面白いので見かけたら是非手にとってみてクレメンス!

メディア展開
なし

47: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:01:20 ID:R3pe
それにしてもレビューがわかりやすくて面白いな
こういう風に書ける人はうらやましいわ

48: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:01:32 ID:hKCz
>>47
さんくす

49: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:03:26 ID:hKCz
奇談蒐集家
2011年、創元推理文庫より発売
著者 太田忠司
評価 ☆3

自ら体験した不可思議な話求む。高額報酬進呈。ただし審査あり
その広告を目にした者が依頼主の下を訪れ怪奇と謎に満ちた話を語る
しかし安楽椅子探偵よろしく、それは論理的に解明されていく

話者「かくかくしかじかな体験したんや、それで人生変わった」
依頼主「素晴らしい! つまりこういう類の怪談だね! なんと不思議な!」
助手「いえ、それはどうでしょう。今の話にはこれこれな矛盾点がありますし、こういう道理で話が通ります」
みたいなパターンの小話集やで、不思議体験で人生変わった奴に、それススキやでwwwって突きつけるんやな

この作品の妙は最終話や
これまでの話を種として、それらを一つにつなげるのはまさに圧巻や
キャラに感情移入できる類の小説ではないけど仕掛けはオモロイ
まあ現代のサブカルに慣れてるとなんとなく想像できるオチではあるが

スコッチやウィスキーを片手に依頼主の気分になって読むのも面白いかもしれんな
あとがきから抜粋すると、こういう奇談クラブモノが好きなら江戸川乱歩の『赤い部屋』や
岡本綺堂の青蛙堂鬼談なんかを読むと幸せになれるかもしれない

メディア展開
なし

50: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:04:44 ID:nckY
このスレ見て、今年はツンドクを消化するって決めたわ

51: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:05:17 ID:hKCz
>>50
崩せ崩せ
積んでてもいいことないぞ

52: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:05:23 ID:hKCz
くちぬい
2011年、集英社より発売
著者 坂東眞砂子
評価 ☆3

東京で教師をしていた主人公は定年退職を期に高知のド田舎の村へ引っ越した
水道さえも通っていないそこで趣味の陶芸に余生を捧げようとするが
赤線の上に作ってしまった陶芸釜が発端となり村の老人たちと揉めてしまう
それから少しずつ厭がらせが始まり……
果たしてそれは人の仕業か、はたまた村に祀られるくちなわ様の祟りなのか

60前後のじーさんばーさんを主人公に据えた作品や、……なにも小説まで高齢化せんでもw
さて、おんj民はこのマッマをどう思うやろうか
過保護マッマと無関心パッパという絵に描いたような家族で息子は鬱を発病
実家を離れた今は元気に仕事してるらしい

そんでこのマッマは放射脳なんや、この物語は東日本大震災後の話なんやけど
「放射能に関して東京は大丈夫って政府は言うけどネット民はダメって言ってる!」
「西日本の高知の田舎なら食べ物も水も安心!」
政府は絶対ウソつかないとは言わんけど、ネット民の言うこと鵜呑みにしてええんか?

あと夜の営みに熱い情熱を燃やしとる
「なんでセックスしてくれないの!? もう勃たない? 朝勃ちしてるじゃない! ギャオオオオオオオン!」
毎朝さりげなく夫のチンポチェックしとるんかw
そりゃ65じゃ勃たないでしょうよw、というか60のばーさん抱きたくないでしょうよw、主人公が校長ならいけたやろうけどw
うーんこれは、妻ガチャハズレではw?

とまあ面白おかしく書いたけど物語の内容はけっこう鬱々としとる
厭がらせも猫の死体を庭に置かれたり、包丁の刃を上に向けて地面に埋めたり、段差の前に滑る仕掛けされたりとかや
監視カメラをセットするも、家の中にまで入られてるのに人影すら映せない
その真相にはちょっとびっくりしたンゴ

普通に話すときは笑ってるけど、裏では何を考えてるのか分からない
少しずつ人間不信になっていく心情が暗い、人間関係ぶっ壊れ系ホラーや

もし田舎に夢を持ってるおんj民がいるならやめとけ
田舎なんて基本的に閉鎖的やし、元からあるコミュニティの仲間になれるとは限らん
そこで弾かれたら孤立無援の村八分やで、集団の中にこそ真の孤独があるんや
ウソだと思うなら是非この本を読んでみてクレメンス、そして田舎に絶望しろ

メディア展開
なし

53: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:05:56 ID:xAeA
オチが予想できるのは数こなすとあるあるなんよな
記憶を消して楽しみたい

54: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:06:18 ID:hKCz
>>53
わかる
話のパターンて案外少ないよな

56: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:08:09 ID:hKCz
化身
1999年、幻冬舎文庫より発売
著者 愛川晶
評価 ☆3

ヒロインの下に届けられた差出人不明の写真
そこに写っていたのは、かつて誘拐事件があった保育園と見知らぬ少女
不審に思いつつも調べていくと、被害者の容貌が自分と酷似しており、また自分の記憶も何かを訴えかけてくる
幼少時の記録が一切無いヒロインは、かつて誘拐された少女本人なのか

改題前のタイトルが『化身~アヴァターラ~』だったことからも分かる通り、インド神話と関連させながら展開されるミステリや
しかしたまにミステリで散見されるけど、謎やトリックの都合で話に無理が生じてる希ガス
都合良く大して親しくもない知り合いに探偵役がいたり、都合よく1歳の頃の記憶が都合のいい順番で蘇ったりな
さすがに1歳の記憶や感情が蘇るのは厳しいんでない? 感情描写もやや淡泊な印象を受ける

個人的に小説は物語ありき、そこで展開される各人の心の動きこそが最優先やと思うんやけどなあ
ご自慢のトリックを披露したいだけならクイズブックにでもしたらええやん
この世界は人の心が織りなす綾模様、それを美しいと、ワイは思った

とまあちょっとボロクソ気味に言っちゃったけど別につまらないわけじゃない
いや正直に言えば少々ストーリー展開が恣意的だし、しょーもな! と思ったとこも多い
ヒロインちゃんがあまりにポンコツすぎてね、まるでプレイヤーの選択無視するエロゲ主人公みたいや

しかしラスト近くは確かに面白かったし、何より読後感が良かった
バッドやビターエンドを描く小説が多いなかでここまで晴々とした結末だったのは
読み終わってほんまに嬉しかった!

メディア展開
2005年 ドラマ化

57: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:10:01 ID:hKCz
降霊会の夜
2012年、朝日文庫より発売
著者 浅田次郎
評価 ☆4

雷が鳴り響く夜、怯える女を助けた主人公は恩返しにと降霊会に招かれる
望む死者と話すことができるというそれを、最初は疑ってかかるがすぐに本物と確信する
幼い頃実の父親に殺された友人の関係者が次々と招霊されるなかで語られるそれぞれの想いとは……

幽霊の想いを聞きながら主人公の半生を振り返る物語や
まず作家の文章力が凄い、語彙が豊富で我を忘れて没頭できるその味は実に見事
ここまでの表現力持った作家が今どれだけいるのかってレベルや

――お父さん。僕、お願いがあるんだけど
殺される直前のシーンで幼い息子が言うんや、命乞いでもするのかと思うんやけど
――仔犬に、名前を付けてあげて。そしたらもう、捨てちゃってもいいから
そして父親は手を下す、殺すくらいならなぜ捨てないのかと、良心の声が叫ぶ前に
ここがもう切ないはセンスに溢れてるはで一気に引き込まれたね

戦争は社会が覚えていればいいのであって、血縁に語るものじゃないってのも面白かった
夢と希望に溢れた子共に語ると罪障に囚われ歪んで良き未来から遠のくってな
作中では悲惨な体験をした親に子が同情してそれが死に繋がるんや
戦争の体験を一切話そうとしなかった主人公の親といい対比になっとる

前半はそんな戦後間もない時代の幼少期編、後半はある程度復興した日本で送る青年編や
重ねて言うがほんまにええ文章書くわ、片思いのまま死んだ女の悲哀がね

『さよなら』はどんな挨拶よりも大切だわ。あなたはその一言を、とうとう言ってくれなかった。
愛の告白より、ずっと簡単なはずなのに。
あなたの声を探していた。風にちぎれて飛んできても、捕まえて抱きしめるつもりで。

とまあ実に引き込まれる物語なんやけど欠点を挙げるなら終わり方か
ワイは基本的にアホなので、お前が理解できないだけだろと言われればそれまでやけどオチが無い
これじゃあ主人公さんただの冷血漢っちゅーかけっこうな鬼畜やんけ、それでええんか?

メディア展開
なし

58: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:10:15 ID:AN4T
イッチすごい?

60: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:10:22 ID:hKCz
>>58
えへへ

59: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:10:19 ID:xAeA
ミステリもののしょーもない動機とか
ピタゴラスイッチみたいなトリックは良くあるよな

62: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:10:52 ID:hKCz
>>59
なぜああなってしまうのか

61: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:10:30 ID:jQYm
魔王学院評価頼む

63: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:11:09 ID:hKCz
>>61
知らない作品なのでメモっとくわ

85: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:17:49 ID:jQYm
>>63
正式タイトルは魔王学院の不適合者やで

88: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:18:29 ID:hKCz
>>85
はえー
言っとくけどワイラノベに対する評価辛いぞ

64: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:11:23 ID:hKCz
黒白の旅路
2005年、徳間文庫より発売
著者 夏樹静子
評価 ☆3

「君と、死にたいな」
身体を重ねた男にそう言われたヒロインは、自分の生に疑問を抱いていたこともあり、思わず頷いてしまう
次の日には二人で山奥へと入り、睡眠薬を過剰摂取して自殺を図った
しかしヒロインは死にきれず、目を覚ますと隣には刺殺された男の遺体があり、自分は凶器を握っていた
殺したのは一体誰なのか? まさか自分が無意識に? ヒロインは謎の解明に乗り出すのだった

いや死ぬんじゃないんかいっ! とツッコンではいけない心中から始まるミステリや
まあ割とあからさまな書き方してるので、2割か3割も読めば、あっあのパターンかな?と想像できる
ワイはその時点で真相大体わかっちゃったけどねwドヤァ
ミステリって案外パターン少ないよな、いや、ミステリというか叙述トリックがか

というわけで、序盤も序盤で結末を予測できてしまうので以降が冗長に感じてしまう
なんせ答え合わせまでかなり長いからね、あっち行ったりこっち行ったり錯綜するのがもどかしい
全部が全部予測できるわけではないのでそこまで退屈はせんけどもな

初出が1975年、つまり約50年前になるんやけど、時代を考えればけっこうショッキングな問題に踏み込んどる
なんというか、ほんまホモはろくなことせんな!
どんな所業を犯したかは是非本作を読んで確かめてみてクレメンス
それにしてもヒロインちゃんのキャラ大分薄いな、目元隠れたエロゲ主人公みたい

メディア展開
1983年 ドラマ化

87: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:18:12 ID:R3pe
>>64
夏樹静子にしてはトリッキーで面白そうだな

91: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:18:55 ID:hKCz
>>87
まずまずや
まあ悪くはない

65: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:12:03 ID:AN4T
大好きで10回は読んだであろう作品でも
こんなに細かく書けない?

66: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:12:22 ID:hKCz
>>65
やってみれば案外余裕やぞ

67: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:12:46 ID:AN4T
>>66
それが才能や?

68: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:13:02 ID:hKCz
>>67
えへへ
照れりこ照れりこ

71: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:13:46 ID:xAeA
>>65
分かる
そして忘れていく…
ワイもメモとろうかな

69: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:13:42 ID:sxZ4
自分で小説書いてみたいとか思わんの?こういうの書いてたら

73: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:14:19 ID:hKCz
>>69
うーん気が向けば書いてみてもええかも?

70: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:13:46 ID:hKCz
十字架
2009年、講談社文庫より発売
著者 重松清
評価 ☆4

中学2年生の9月、同級生がイジメを苦に自殺した
残された遺書には4人の名前が記され、一人にはありがとう、二人にはゆるさない、一人にはごめんなさいと綴られていた
これはイジメ自殺に端を発する20年の物語

そのままイジメをテーマにした作品やな
懐かしいところでは大津、最近では旭川が注目を集めたやろうか
そういえばあの事件はその後どうなったんやろな、然るべき罰を受けたのか、加害者は悔悛したのか
まあそれはここではどうでもええことやが

サブカルで言うならこえの形が有名か
なるたるにもそういうシーンがあったし田中ロミオのユメミルクスリやSCA-自のH2Oでも扱ってたな
それぞれがイジメに関してどんな答えを描いたかはそれぞれの作品を見てクレメンス

さて、イジメで悪とするのはなんやろうか
イジメた奴はもちろん悪や、ではそれを黙って見ていたクラスメイトは? 気付くことが出来なかった教師や親は?
そもそも論を言えばイジメをするように育てられた加害者も実は被害者で、そう育てた親が真の悪か?
なあ、ニキらはどう思う? イジメにおいて悪とは誰や? 自殺という方法を選んだ被害者は悪なんやろうか

そんでもう一つのテーマは自殺やな、というかこっちが本体かもしれん
自殺した後、残された人たちの人生はどのような影響を受けるのか
遺書に名指しされて恨まれた人間は? 親友と書かれた人は? 片思いしてごめんなさいと書かれた異性は?
遺された親兄弟はそれらの人たちに対してどう接してどんな人生を歩むのか

直接手は出さずとも見殺し同然だったクラスメイトに対して、許すことはないってパッパが言うんや
遺書に親友と書かれた主人公に対して、被害者の弟がお前は見殺しにしたと詰め寄る
それを受けた主人公の、やっと『被害者』になれた、っていう文章がやけに印象的やな

とまあ読んでいて実に気の滅入る物語や
ワイが好きなホラーみたいに謎解きや最後のどんでん返しなんて無い
でも登場人物たちの心情を窺わせるような描写が丁寧かつふんだんに盛り込まれた身につまされる物語やで!

メディア展開
2016年 映画化
https://www.youtube.com/watch?v=dabKhzWAlok


72: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:13:46 ID:htVK
イッチええか?

74: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:14:24 ID:hKCz
>>72
なんや

75: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:15:07 ID:htVK
>>74
杜子春は?

77: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:15:34 ID:hKCz
>>75
ちっさい頃マッマがカセットで流してくれた

82: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:17:21 ID:htVK
>>77
なんや
全然読んでないのか

84: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:17:41 ID:hKCz
>>82
はい……

90: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:18:53 ID:htVK
>>84
日本の古典作品について語りたい

94: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:19:44 ID:hKCz
>>90
古典はちょっとストライクゾーン反れちゃう
読めばおもろいんやろうけど

106: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:24:55 ID:htVK
>>94
井伏、一條、町田康、保田與重郎、谷崎、中原
どれなら?

76: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:15:25 ID:9ABz
イッチに「間の楔」読んだ感想聞いてみたいわ

78: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:15:54 ID:hKCz
>>76
メモっとくわ

79: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:16:41 ID:fnrz
駐在さん面白いよね

80: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:17:04 ID:hKCz
>>79
駐在さん?

81: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:17:10 ID:hKCz
樹液少女
2016年、新潮社より発売
著者 彩藤アザミ
評価 ☆4

幼い頃連れ去られた妹を探して、高山に建てられた磁器人形と陶芸の天才のアトリエを訪れる主人公
大雪でクローズドサークルとなったそこで発生する殺人事件
妹の失踪に隠された真相とは!? そして天才が作品に刻む暗号の意味とは!?

樹液少女、そこはかとなくえちちなタイトル。樹液少女、んふw
さて、まずは提示をしようか、おんj民には分かるかなw?

暗号は2~10の数字とJQKAのアルファベットからなっている
また、それらは必要に応じて赤と黒に色分けされている
各作品にはそれぞれ別の文字列が刻まれており、短かくて七文字、長いと十五文字以上
何故か黒の3、4、Jは見つかっていない
以下に例を示す、()内の文字は赤色、それ以外は黒色とする
・Q (A) (K) (A) (4) (A) 10 (A) (J) (A) (J) 2
・A (A) 5 8 (K) (9) (A) A A (A)
・(K) 2 5 (9) (K) 2 7 2 5 (5) A (J) (A)
ちなみに中盤でヒントが提示されるけど、それみれば多分ほぼ100%の人が分かると思うます
まあぶっちゃけ子供だましや

この作品の面白いところは終盤やねん
ラスト50ページで二転三転させるこの話運びが凄いやね
あのキャラはどうなったのかっていう妄想の余地を残す終わり方も上手い

トリックや暗号に特筆すべきところはないけど、エンタメとして面白い物語だった
不満点を挙げるなら、一番罰を受けるべきアイツをもっと痛めつけてほしかったことくらいか
ビスクドールの造り方に少しだけ詳しくなれるので、教養としていかが?

「なあ、お前、『死んだ方がいい人間』っていると思うか?」

メディア展開
なし

83: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:17:25 ID:GTEz
ようこんだけ書いたな

86: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:18:03 ID:hKCz
>>83
触れたサブカルの感想メモっとくのが趣味なんや

89: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:18:52 ID:ltoK
一時期太宰治を狂ったように読んでたけどいつのまにか本自体読まなくなったな

92: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:19:06 ID:hKCz
ずうのめ人形
2016年、KADOKAWAより発売
著者 澤村伊智
評価 ☆4

編集社でバイトしていた主人公は、ある日連絡がつかなくなったライターの家を訪れる
そこには目玉をくりぬかれた異様な死体と、ところどころが焼けた書きかけの原稿
仲間の一人が興味本位で持ち帰ったその原稿には、ずうのめ人形という怪異の説明が書かれていた
数日後その仲間も亡くなる、今わの際であの原稿を読めと告げて……
それを読んだ主人公にも怪異がふりかかってきて……

女性霊媒師の姉妹である比嘉真琴と琴子シリーズの第2作や、ちな第1作はぼぎわんが、来る
いや怖い怖い怖い
ホラーでよくあるやつ、リングとかさっちゃん系列の、話を見た聞いた人に呪いが感染する系
のぞきめとか残穢とかさ、こういう系は反則やろ怖いやんけ!

この作品の妙は中盤や
真実が開示され始めるんやけど、それまでの話と“つじつまが合わない”
その訳の分からなさ、新たな謎が恐怖の呼び水となるのが実に見事!
ここまでくるともう読むのが止まらん、先が気になって一気に読んじゃう

息もつかせぬ展開で終わりまで走り切るのはいっそ爽快感すら覚えるね
初めて読んだときにはなんか違和感あるなって感じたところを上手く拾う伏線回収も綺麗や
これはなかなかの名作やで!

ところでリングは一世を風靡したけど、ホラーが流行らなくなったのってもしかして社会問題になったからか?
本作にもそういうシーンが出てくるんやけど
髪が長くて大人しい女の子をサダコとかあだ名つけて虐めるやつ、お前らの学校にもおったんちゃう?
子供は純粋ゆえ残酷やから、そういうのでクレーム入って大大的にホラーやらんくなったのかなあ

メディア展開
なし

97: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:20:38 ID:htVK
>>92
長々とソレっぽく書いてくれて大変結構だけど、中身の7割は批評モドキの駄文だから削ってほしい

99: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:21:14 ID:hKCz
>>97
ヤベェバレたw

103: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:24:03 ID:Cv15
>>97
ワイは楽しいからOKです

93: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:19:07 ID:B0d4
ワイ的には坂東眞砂子は外れないわね

96: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:20:26 ID:hKCz
>>93
はえー
適当にとった一冊でけっこう面白かった

105: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:24:29 ID:B0d4
>>96
50代で死去は惜しいわ

109: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:25:28 ID:hKCz
>>105
ふぁっ!故人やったんか
黙とう

95: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:20:16 ID:2beD
四畳半神話大系って読んだ?

98: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:20:59 ID:hKCz
>>95
読んでない
メモっとくンゴ

100: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:21:23 ID:hKCz
雀蜂
2013年、角川ホラー文庫より発売
著者 貴志祐介
評価 ☆3

真冬の山荘で妻と過ごしていた主人公
目覚めると一緒に寝ていたはずの妻の姿はなく、代わりに不吉な羽音をたてる雀蜂が飛び交っていた
刺されればアナフィラキシーで死んでしまうことが分かっている主人公の脱出劇が始まる!

黒い家や悪の教典、天使の囀りに新世界よりなど、数々の名作を書いた天才、貴志祐介の脱出パニックや
この設定で、昔ガンガンに連載されてた漫画、スパイラル~推理の絆~を思い出した人はワイと握手!

山荘内にある限られたアイテムで蜂の集団と戦うんや
都合よく蜂用殺虫剤が残り少なかったり救助を期待できる状況でミスマッチ起こすのはご愛嬌
蜂用トラップを自作して試行錯誤してみたり、対蜂用アーマーを自作して戦ってみたりや
サンキューぷちぷちフォーエバーぷちぷち

ニキらは虫さんに対してどう思っとるやろうか
ワイは虫さん大っ嫌いや! とっとと絶滅すればええねん!
そんな人間の家に虫さん大量発生したらどう戦う? ていうお話や

貴志祐介の物語なので色々仕掛けがあったりする
なんで真冬に蜂がおんねん! その真相は! 是非結末を予想しながら読み進めてみてクレメンス!
あんなの予測不能だろって? まあそれはそう

メディア展開
なし

101: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:21:33 ID:IiLk
#良スレ

102: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:23:07 ID:hKCz
他殺岬
1976年、光文社より発売
著者 笹沢左保
評価 ☆3

フリーライターの主人公は、高額美容液の中身がただのベビーオイルとハチミツと香料の混合であることを暴いた
それにより会社の社長である父と、腹に子を宿していた娘が自殺する事件となる
それから17日後、自殺した娘の夫から、主人公の息子を誘拐した、5日後に殺すという電話がかかってくる
「奴に殺しを思いとどまらせるしかない。それには自殺が誤解であればいい。不自然なところはあるんだ」
「そう、あの事件が自殺ではなく他殺であることを立証する! 俺への復讐はお門違いだ!」
猶予は5日間、それまでに事件の真相を解き明かすことが出来るのか!?

生前約380作を著した笹沢左保の岬シリーズ第1作や
もう半世紀近く前の作品なのに今読んでもエンタメとして充分面白いの凄いやろ
特別なメッセージ性とかあるわけじゃないけど続きが気になってどんどん読んじゃう

少しずつ明らかになる秘められた人間関係
浮かび上がる容疑者と、しかし崩せない明確なアリバイ
絡み合う真相の糸はなかなかに秀逸だった

しかしアイツは特にお咎めなしで終わったけどそれでええんやろうか
金田一少年で例えるなら地獄の傀儡師が野放しのまま終わったようなもんやぞ
しかも色々得をして完全に独り勝ち、もう一度言うがそれでええんか?

メディア展開
なし

104: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:24:25 ID:p91e
スズメバチはクソつまらんかった
貴志がお前らこういうの好きなんだろって書いた感じ

107: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:25:03 ID:hKCz
>>104
まあ貴志祐介だからハードル上がるよね

108: 名無しさん@おーぷん 23/01/22(日) 18:25:03 ID:IiLk
イッチおせっせ好きやなぁ